医療法人 社団創樹会 大木眼科

治療内容

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〜12:30
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診療時間:午前9:00~12:30 午後15:00~18:30 
土曜9:00~13:00

※メガネ、コンタクトレンズの受付は受付終了1時間前までにお願いします。

緑内障

緑内障とは、目と脳をつなぐ視神経が障害され、徐々に視野障害が広がってくる病気です。
残念ながら日本人の失明原因の第一位となっています。緑内障は40歳以上の約20人に1人、60歳以上では10人に1人は緑内障と考えられていますので、けっして珍しい病気ではありません。
しかし早期に発見して適切に治療を受ければ、生涯視野と視力を保てる可能性も高くなります。ただし、早期発見には眼科に行かないと分からないことが多く、また診断されても、早期や中期では自覚症状がないために、治療をやめてしまう方が多いのが問題となっています。そのため、学会等でも緑内障の早期発見のために、40歳を過ぎたら定期的な目の検診をお勧めしています。

見え方の変化

初期

中期

後期

緑内障の診断

緑内障の診断のためには、眼圧検査、目の奥の検査(眼底検査)、視野検査の3つが必要です。慢性緑内障では眼圧が高くないこと(正常眼圧緑内障)も多いのですが、緑内障の種類を決めて治療方針を考えるために、眼圧検査は欠かせません。 緑内障の診断の原則は、眼底検査で視神経が減った場所があり、それにほぼ一致して視野の異常が見られる場合に、緑内障と診断されます。最近では、目の奥の網膜や視神経乳頭の断面を見ることができる三次元画像解析装置(OCTなど)を用いることで、視神経乳頭のごくわずかな陥凹や網膜の特定の層が薄くなっていることがわかるので、ごく初期の緑内障を診断できるようになっています。

三次元画像解析装置

緑内障の種類

緑内障はいくつかの種類があります。まずなにか他の原因のために眼圧が上がる続発緑内障(ぞくはつりょくないしょう)と、他の原因がない原発緑内障(げんぱつりょくないしょう)に分けられます。またその他にも、発達緑内障(はったつりょくないしょう)といわれる小児の続発緑内障があります。 特に他に原因がない原発緑内障には、目の中の水(房水)の出口である隅角が狭い閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)と、隅角が広い開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)があります。

開放隅角緑内障

日本人に多いのは開放隅角緑内障です。開放隅角緑内障は、眼圧上昇は軽度で、慢性緑内障であることがほとんどです。視野障害の進行なども通常はゆっくりです。眼圧が正常レベル(20mmHg以下)である「正常眼圧緑内障」も、開放隅角緑内障に含まれます。

閉塞隅角緑内障

閉塞隅角緑内障は、房水の出口である隅角が閉塞するために、急激に眼圧が上がることがあります(「急性緑内障発作」といいます)。治療が遅れると短期間で失明に至ることもあるので、手術など緊急の対応が必要となることがあります。

緑内障の治療

基本的には点眼薬による眼圧のコントロールが第一選択となります。いろいろな点眼薬を使っても十分に眼圧が下がらない場合や、眼圧がある程度下がっていても視野障害などが進行していく場合には、眼圧をもっと下げる必要があります。そのような場合に、レーザー治療や手術を行うことがあります。緑内障の手術には、房水の流れ出る線維柱帯を開いたり(線維柱帯切開術)、別な房水の出口をつくったり(線維柱帯切除術)する手術があります。これらの手術は眼圧を下げる効果は大きいのですが、合併症も少なくないので注意が必要です。

眼圧とは

眼圧とは眼球を内側にかかる圧力です。目の中に存在する眼房水と呼ばれる液体の量と、その流れによって維持されています。

点眼薬による治療

開放隅角緑内障では眼圧を下げることにより、緑内障が進行しにくくなりますので、できるだけ早期に緑内障を発見し、点眼薬などにより眼圧を下げ続けることが大切です。開放隅角緑内障の患者さんの多くでは、眼圧は正常であり、視野障害の自覚もありません。そのため、たくさんの人が自分の病気を知らずに暮らしており、健診などで発見されることがほとんどです。 慢性緑内障である原発開放隅角緑内障で、特に眼圧が正常な正常眼圧緑内障がとても多いことが知られています。開放隅角緑内障では、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。眼圧に関しては、正常眼圧緑内障が多いことに加え、20mmHgを少し超える程度の軽度の眼圧上昇では、特に異常を自覚することがないからです。視野に関しては、初期から中期の視野障害は視野検査では検出されますが、患者さんが視野の欠けを自覚することはまれです。

外科的療法による治療

近年、初期の緑内障に対しては合併症の少ない低侵襲緑内障手術(MIGS)が行われることがあります。当院の執刀医は大学病院でMIGSを国内導入初期から執刀しています。適応については相談してください。一方、閉塞隅角緑内障では、発作を起こす前には通常、眼圧はほぼ正常なことが多いので自覚症状はありません。しかし、急性発作を起こすと眼圧が急激に上昇するため、見え方の異常のほかに強い頭痛や嘔気、そして目の痛みを伴います。そのため点滴治療や、水晶体再建術などの緊急手術を行います。急性緑内障発作は合併症や後遺症を伴う事もありますので上記のような症状があればすぐに受診しましょう。